何事ありても自殺はするな
「(前略)しかしそれまでの十年間の苦痛悔恨!
垂下せる(※首つり自殺した)醜しき死骸……
人生の悲惨に泣く良人と二人の子供とのあわれな姿……。
眼には見えても助くる道も、慰める術もなき私の心の苦しみは、どれほどでありましたろう!
で、私は衷心から自殺を計る所の一切の人々に向かって警告したいと存じます。―
何事ありとも、自殺ばかりはなさいますな!(※下線部は、原文は傍点で強調あり)
あなたは何にも御存知がないので、今自殺しようとして居られますが、それは御自分の入る地獄を造り上げるのです。
一たん身体から出脱けた上は、モウ二度とその内部(なか)へは戻れません。
それツきり御自分の務めを果たすことができなくなります。
何よりも先ず、私の子供等のあわれな身の上を考えて下さい。自分達の母親は自殺をしたのである、という考えから、終生離るることができないではありませんか!
私の良人も、又子供等も、決して心から私を許す気にはなれません。
たとえそれが憑霊の仕業であって、自分自身の心から出た仕業ではないにしても、私はあんなに苦しまねばなりませんでした!
もしもあなたが、真に霊界方面の法則を御存じならば、あなたは決して自殺しようとはなさらないでしょう。
その結果が実に恐ろしいからです。
是非その忌まわしい考えにだけは打ち勝ってください。
自然にあなたが霊界に入らねばならぬ時節の到来するまで、この地の世界で幸福にお暮らしなさいませ。
私が苦しみ抜いた十年という歳月は、私が無理に縮めた期間でした。
あの十年を地上で過ごした上で、私は霊界の人として、又母としてやるだけの任務を首尾よく果たした上で……。
霊界には霊界の厳律がございます。自分に与えられたる期間を、現世で過ごした上でなければ、自分ぎめに霊界には入れません。
私は私の過失に対する刑罰として、十年の間、間断なく自分の眼に、自分の醜しき屍骸の垂下している状況を見せられました。
そしてその間、私は自分の良人と、子供等とがどんなに困っているかという事を忘るる隙とてありませんでした。(…)」
――― 浅野和三郎抄訳 ウイークランド原著『死者に交る三十年』(心霊文庫第17篇)
「憑依と自殺の実例 その一、何事ありても自殺はするな」より一部抜粋
(※は補い、旧字表記を現代仮名遣い(表記)になおしております。)
垂下せる(※首つり自殺した)醜しき死骸……
人生の悲惨に泣く良人と二人の子供とのあわれな姿……。
眼には見えても助くる道も、慰める術もなき私の心の苦しみは、どれほどでありましたろう!
で、私は衷心から自殺を計る所の一切の人々に向かって警告したいと存じます。―
何事ありとも、自殺ばかりはなさいますな!(※下線部は、原文は傍点で強調あり)
あなたは何にも御存知がないので、今自殺しようとして居られますが、それは御自分の入る地獄を造り上げるのです。
一たん身体から出脱けた上は、モウ二度とその内部(なか)へは戻れません。
それツきり御自分の務めを果たすことができなくなります。
何よりも先ず、私の子供等のあわれな身の上を考えて下さい。自分達の母親は自殺をしたのである、という考えから、終生離るることができないではありませんか!
私の良人も、又子供等も、決して心から私を許す気にはなれません。
たとえそれが憑霊の仕業であって、自分自身の心から出た仕業ではないにしても、私はあんなに苦しまねばなりませんでした!
もしもあなたが、真に霊界方面の法則を御存じならば、あなたは決して自殺しようとはなさらないでしょう。
その結果が実に恐ろしいからです。
是非その忌まわしい考えにだけは打ち勝ってください。
自然にあなたが霊界に入らねばならぬ時節の到来するまで、この地の世界で幸福にお暮らしなさいませ。
私が苦しみ抜いた十年という歳月は、私が無理に縮めた期間でした。
あの十年を地上で過ごした上で、私は霊界の人として、又母としてやるだけの任務を首尾よく果たした上で……。
霊界には霊界の厳律がございます。自分に与えられたる期間を、現世で過ごした上でなければ、自分ぎめに霊界には入れません。
私は私の過失に対する刑罰として、十年の間、間断なく自分の眼に、自分の醜しき屍骸の垂下している状況を見せられました。
そしてその間、私は自分の良人と、子供等とがどんなに困っているかという事を忘るる隙とてありませんでした。(…)」
――― 浅野和三郎抄訳 ウイークランド原著『死者に交る三十年』(心霊文庫第17篇)
「憑依と自殺の実例 その一、何事ありても自殺はするな」より一部抜粋
(※は補い、旧字表記を現代仮名遣い(表記)になおしております。)