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2023/03/23

今日の言葉

今日は、浅野和三郎先生が、大正12年(1923年)3月23日に心霊科学研究会を設立されて、ちょうど100年となる記念すべき日です。第一級の英文学者の肩書も地位も職も捨て、私たちの後世の人類のために切り拓かれ残された、多大な業績をたたえて感謝の気持ちを送りたいと思います。

「なぜ先生が、日本に心霊研究を付植し、日本神霊主義を開拓する、偉業を成し遂げる人となり得たか、それは実に、先生が心霊にかかわりをもつ時の、動機の素晴らしさにあったのです。つまり、「奈落の底に向かって沈みつつある世界の人類を救済すべく微力の限りを尽くさん」、これが心霊研究の動機だったのです。しかも、それは子供の不治の病気を治すことが、心霊に関係をもつ先生のきっかけであったにもかかわらずです」
「一代の先覚者が、後世のために道をひらくということは、決死です。職を捨て、名声や肩書を捨て、身を捨てて、人類救済(世のため人のため)に献身することによってです。私達も自己の人生を切り開くには、ここに手本があります。「人類救済」と浅野先生のようにいかなくても、人のため世のために「奉仕」、この人生を歩むことです。心霊の道にいま貴方が足を一歩踏み入れたこの時、「何のために貴方はここに来たのか」、その動機をかえりみて、将来の結実のために、奉仕のためですか、現世利益のためですか、単に興味や利得のためですか、そのいずれの種子をいま自分が播こうとしているのか、よくよく考えてみて下さい。」

―― 桑原啓善

桑原啓善著『神の発見』(でくのぼう出版)




2023/09/29

今日の言葉

 しかし決して、人は神であり、神が人であることを忘れてはいけない。
神の力が貴方の中にある。
この力によって、貴方はいかなる物質にもまさり、またそれに犯されることはない。
これまさしく、一切の悪を退け、病気を克服し、あらゆる障害と闘うことのできる力である。
だがこの力を使う者の数はきわめて少ない。
  昔、イエスもそう教えたではないか「天国は貴方の内部に在る」と。 


桑原啓善編著『シルバー・バーチに聞く』より)


   
2023/09/25

今日の言葉

 主イエスが、貴方と貴方の日常生活から、遠くかけ離れた玉座に座っている、遠い人物だなどと思わないでいただきたい。
 そう思えばそれだけで、貴方とイエスの間に垣根を作ることになるのです。
主イエスは強靭で、霊的に強力な魂です。
しかし、またはなはだ人間的でもあります。
極めて柔和で、しかし、外観は高貴です。
顔には髭があり、額は美しく秀で、容貌は完全です。
その際立った特徴は手足の美しさです。
  イエスは現代と強いつながりを持っています。
ある意味で、次のキリスト光の流出のために、人類の魂の準備をしています。
彼は治病光線の長であります。
従って、身体治療の仕事と共に、魂の治療の仕事があります。
彼は人々の魂に英知と愛をもたらします。
彼は哲学と治療の仕事に関与しているのです。
何となれば、本当の治病とはすべて、霊的な事物に関する知識と結び付いているからです。 

桑原啓善訳 グレース・クック『天使と妖精』



 
2023/09/23

今日の言葉

〔堅い瓔珞はまっすぐに下に垂れます〕
                 
                  宮沢賢治
   
   
〔冒頭原稿なし〕
   
堅い瓔珞はまっすぐに下に垂れます。
   
実にひらめきかゞやいてその生物は堕ちて来ます。
   
   
まことにこれらの天人たちの
   
水素よりもっと透明な
   
悲しみの叫びをいつかどこかで
   
あなたは聞きはしませんでしたか。
   
まっすぐに天を刺す氷の鎗の
   
その叫びをあなたはきっと聞いたでせう。
   
   
けれども堕ちるひとのことや
   
又溺れながらその苦い鹹水を
   
一心に呑みほさうとするひとたちの
   
はなしを聞いても今のあなたには
   
たゞある愚かな人たちのあはれなはなし
   
或は少しめづらしいことにだけ聞くでせう。
   
   
けれどもたゞさう考へたのと
   
ほんたうにその水を噛むときとは
   
まるっきりまるっきりちがひます。
   
それは全く熱いくらゐまで冷たく
   
味のないくらゐまで苦く
   
青黒さがすきとほるまでかなしいのです。
   
   
そこに堕ちた人たちはみな叫びます
   
わたくしがこの湖に堕ちたのだらうか
   
堕ちたといふことがあるのかと。
   
全くさうです、誰がはじめから信じませう。
   
それでもたうたう信ずるのです。
   
そして一さうかなしくなるのです。
   
   
こんなことを今あなたに云ったのは
   
あなたが堕ちないためにでなく
   
堕ちるために又泳ぎ切るためにです。
   
誰でもみんな見るのですし また
   
いちばん強い人たちは願ひによって堕ち
   
次いで人人と一諸に飛騰しますから。
   
            

一九二二、五、二一、





2023/09/23

今日の言葉

さあ、切符をしっかり持っておいで。
お前はもう夢の鉄道の中でなしに
本当の世界の火やはげしい波の中を
大股(おおまた)にまっすぐに歩いて行かなければいけない。
天の川のなかでたった一つのほんたうのその切符を
決しておまへはなくしていけない。 


――― 宮沢賢治
    

(「銀河鉄道の夜」第三次稿)