2017/11/03

ジュリアの音信(新書版) 訳者のまえがき より

 本書をお読みになる方は、きっと、自分も死んだら、こういう道をたどるのかしらと思われるでしょう。本書は、釈迦とはキリストとか、ズバ抜けた人からの教訓ではありません。
私達と同じ一般市民からの通信です。そうして、死者その人に間違いない証明つきの通信です。
しかも、死んですぐまだこの世の記憶の生々しい本人からの通信です。
私達もきっと、死んだらジュリアのように、こんな道を通り、こんな思いを持ち、そうしてジュリアのように生き生きと、第二の生命を始めることになるのでしょう。
訳者である私も、皆様と一緒に、そんな思いにかられながら、この『ジュリアの音信』をつづることにします。


―― 桑原啓善抄訳 W・T・ステッド 『ジュリアの音信(新書版)』より